子どもって、本当に幸せを与えてくれますよね。仕事がひと段落した時に子どもの笑顔に出会えれば最高に幸せです。
でも、たまに仕事が忙しくて余裕がない時に、子どもが散らかしたままでお片付けをしないと、どうしてもイライラしてしまったりストレスが溜まったりするのではないでしょうか。
子どものうちにお片付けを覚えないと大人になってから苦労をするとよく聞きますから、「我が子には自分で掃除できるようになってほしい」と思う方も多いはず。もし、子どもが自分でお掃除をする習慣がつけば、忙しく余裕ない日々でも穏やかな気持ちで子どもと過ごせるでしょう。
そこで今回は、多くの親が困っている子どものお掃除について、お掃除しやすい環境・ルールづくりと子どもやる気にさせるコミュニケーションのコツを紹介します。親子で楽しみながら、子どもに自然とお掃除習慣をつけるのがおすすめですよ!
「気づいたら床にモノが散乱している」「片付けてもキリがないから出しっぱなし」というのは、よくある光景ではないでしょうか。しかし、モノが出しっぱなしになっていると、思わぬ汚れに気づかなかったり、ほこりを取り除けなかったりして不衛生な状態になってしまうことも。
子どもにお掃除を習慣化させたいなら、まず環境を整えることが大切です。
まず、お掃除がしやすい部屋づくりは「床やテーブルの広い面にモノを置かないこと」が大切です。広い面にモノが常においてある状態だと、その光景が当たり前となり他の場所も散らかりやすくなると言われています。基本的なことですが、モノが出しっぱなしにならないように、モノには居場所を決めてくことが重要です。
たとえば、お掃除をしやすくするために「浮かせる家具」を取り入れるのもおすすめです。最近では、テレビだけではなく、棚なども直接壁につけるフロートインテリアが人気ですよね。また、子どもの力でも簡単に動かせるキャスター付きのワゴンなども掃除しやすいです。
次に、すき間を作らないように家具を配置します。これは、すき間にほこりなどの汚れが溜まらないようにするためです。たとえば、ベッドの下は汚れが溜まりやすく、細かいおもちゃが入り込みやすいので、収納スペースにしてしまいましょう。お掃除の邪魔になりやすいケーブル類は壁にはわせたり、ケーブルボックスに入れたりするとすっきり見えてお掃除しやすくなります。
次に、収納について考えていきましょう。子どもがうまく片付けられない原因は、親が勝手に収納方法を決めているからかもしれません。片付けやすくするには、子どもの立場で収納方法を考えることが大切です。
まず、子ども目線になって、無理なく収納できる高さになっているかを確認しましょう。背伸びをしないと届かなかったり、中身が見えなかったりすると、うまく片付けることができません。また、収納方法は簡単に片付けられる投げ込み式がおすすめです。細かく区切ったり、ルールが複雑だったりすると、子どもにとっては難しく感じるようです。子どもの行動導線に合わせて、上着やかばんを簡単にかけられるポールを配置するのもよいでしょう。
収納家具については、「幼児期は低い棚がいいけど、小学生になったら縦長にしたい」など、成長するにつれて子どもに合う収納が変化していきます。そのたびに買い替えるのは大変なので、成長に合わせて付け足せる棚が望ましいです。
「片付けの基本は、モノを適量に抑えること」と分かっていても、容赦なく増えていくのが子どものおもちゃや工作類。「子どもに断捨離なんて本当にできるの?不可能では?」と考えてしまいますよね。
でも、伝え方次第では子どもだって断捨離ができるんです!ぜひ小さい頃から実践して自分のモノを整理できるようにしてあげましょう。
断捨離と聞くと「モノを捨てること」だとイメージする人も多いはず。しかし、そのイメージのまま子どもに伝えると「絶対捨てたくない!」と反感を生んでしまいます。
子どもには、断捨離は「大切なものを選ぶこと」と伝えてあげましょう。「捨てる」というネガティブな言葉をポジティブに伝えてあげることで、抵抗なく断捨離に取り組むことができます。
まず、カテゴリ別におもちゃを並べて、その中でお気に入りのおもちゃを選んでもらいます。その時に、どんなところが好きかインタビューをして共感してあげてください。次に、残りのおもちゃからいらないものを選んでもらいましょう。少し時間がかかるかもしれませんが、子どものペースに合わせて急かさないようにすることが大切です。
気を付けたいのは「これ捨てたら?」と親が口出しをしないことです。あくまで子どもが自分で選んで決めることが大切です。
最後に、子どもから「楽しかった」という感想があったら大成功!月に一度スケジュールに組みこんで習慣化をすると、子どもに大切なモノを選ぶ力がついていきますよ。
特に小さい子どもがいるおうちの場合、「声をかけても全然片付けてくれない」とお悩みの方も多いですよね。その原因は「家を綺麗に保つためのお片付けルールを家族で話し合ってないから」かもしれません。ここでは、ルールを決めるときの大切なポイントを説明します。
まず、子どもにお片付けをしてほしいなら、ルールは一緒に決めましょう。もし、親だけでルールを決めてしまったら、子どもは片付けを自分事にできません。その家に合ったルールを、家族みんなで話し合い、納得して決めることが大切です。
では、どのようなルールがよいのでしょうか?
たとえば、「レゴブロックで遊んでいたけど、次にトランプをしたい」という場面では、「次の遊びに移る前にお片付けをする」というルールが有効です。また、「おもちゃは収納ボックスに入る分だけ」というルールにしておくと、新しいおもちゃを買うときも立ち止まって考えることができます。
他にも、「床にモノを置かない」や「寝る前に5分でお片付けする」など、綺麗を保つにはどうすればよいか、その家それぞれのルールを決めていきましょう。
ルールを決めたら、箇条書きにして見えるところに貼っておきましょう。なぜなら、子どもは目の前の楽しいことに夢中になり、片付けのことを忘れてしまうからです。
実際、我が家もなかなかお片付けをしてくれず困っていたのですが、「お片付けの時間だよ!」の声がけと一緒にルールを見せるようにすると、すんなり片付けてくれるようになりました。これは自分で決めたルールだから、というのも大きいポイントです。
とはいえ、習慣化には時間がかかりますので、根気強く日々伝えることが大切です。また、小学生になったらできることも増えてくるので、お手伝いを増やすなど、成長に合わせて見直していきましょう。
毎日のお片付けはできるようになっても、まとめてお掃除したいときもありますよね。そんな時は、家族全員で取り組むお掃除デーを作るのはいかがでしょうか?忙しい平日だと子どものペースに合わせるのは難しいですが、休日に時間を取ってイベントだと割り切れば、ゆっくり向き合うことができます。
まず、お掃除する項目をリストアップしたら、子どもにどこをお掃除したいかを選んでもらいます。自分で選んだお掃除が終わったら、ご褒美シールを貼ってあげましょう!我が家では「お掃除・お手伝いノート」を作っているのですが、シールを集めるためにがんばってくれますし、自分の成果が目に見えて達成感を感じられるようですよ!
小学生になったらシールではなく、実際のお金にしてもいいと思います。頑張って働いて、お金がもらえるありがたみを感じ社会勉強にもなりますよね。
習慣化するためにも、「月最後の土曜日はお掃除デーに」など、スケジュールに組み込んでしまうことをおすすめします。
ここまでは、子どもにお掃除習慣をつけてもらうために、環境づくりとルールについて説明してきました。ただ、ルールがあってもなかなか片付けてくれないのが子どもたち。ここでは、子どもをやる気にさせるコミュニケーションのコツを紹介します。
「早くお掃除して!」「ここができてないよ」など、大人と同じレベルのお掃除を子どもに要求して叱ってしまうとき、ありませんか?つい小言を言いたくなりますが、ここはぐっと我慢して、ポジティブな声かけ、褒める、感謝を伝えることを徹底してください。
まず、ネガティブな言葉はポジティブに変換していきましょう。たとえば、「早く片付けて」は「片付けが終わったらお散歩にいこうか」に。「散らかって汚い」は「お人形が泣いているから片付けてあげよう」に。このように、子どもが喜ぶアクションと一緒に伝えても良いでしょう。
褒める時は、少しオーバーリアクションくらいが子どもに届きやすいです。まず「すごい!」「上手にできたね!」と短いリアクションをして、その後具体的に褒めてあげてください。お片付けが「楽しい」「綺麗になって気持ちが良い」という実感を持ってもらうことが大切です。そして、最後は「ありがとう。○○くんのおかげで綺麗になったよ」と感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
子どもは思った以上に親の姿をよく見ているものです。子どもにお掃除の習慣をつけてほしいなら、まず親が楽しんでお掃除をする姿を見せましょう。
たとえば、お掃除の時間は好きな音楽をかけてみたり、歌を歌いながらお掃除をしたりするのもおすすめ。子どもとお掃除をするときは「この曲が終わるまでにリビングをお掃除しよう」などと時間の制限に使うのも、ゲーム感覚で楽しくお掃除ができます。
子どもはお母さんとお父さんのまねっこが大好きで、身近な人の行動の意味を理解し、その人と同じようにしたいという特性があります。楽しそうと思い「僕もやってみたい」と言われたらチャンスなので、思い切って任せてみましょう!
毎日忙しくてお掃除に手が回らない方に
家事に育児に仕事にと忙しく、時間が足りないと感じる方は、家事代行サービスを利用してみるのもおすすめです。クラシニティでは、掃除機かけやトイレ掃除、お風呂掃除などのサービスもご提供しているため、時間がかかるお掃除だけの依頼もできて、日々の気持ちにも余裕が生まれます。 家事代行の定期サービスはこちら >
子どもにお掃除習慣をつけるために、子どもにお願いするのが良いと分かっていても、つい親だけでお片付けやお掃除をしてしまう…という方も多いのではないでしょうか?
子どもと一緒にお片付けやお掃除をすることには、いくつものメリットがあります。子どもと一緒にお片付けやお掃除をするメリットを、ここでは4つ紹介します。
自分に必要なものを取捨選択したり、片付けの方法を考えたりすることは、「自分で考えて、決めること」の練習になります。子どもに小さい頃から、片付けの習慣をつけることで、子どもの自主性を育むことができます。
また、小学校に上がり宿題や塾の課題をするときに、勉強机が散らかっていては集中ができません。乱雑な環境は、人の認知能力と集中力を低下させると言われています。
勉強に自主的に集中して取り組むためにも、片付けとお掃除の習慣化はとても大切なことです。
子どもにお片付けの習慣がつくと、「いつまでも子どもが片付けない」「部屋を散らかしたまま放置する」といったイライラが軽減されます。
習慣づけには時間がかかりますが、いずれは一緒に片付ける必要がなくなり、身体的にも精神的にもラクになります。これは親にとって凄くメリットですよね。
また思春期になると、「自分の部屋に入ってほしくない!」と言う子どもは多いです。だからといって自分でお掃除をしない子だったら、子ども部屋はいつまでたっても綺麗になりません。親もついついお掃除したくなり、それが子どもに見つかってケンカになってしまうことも。
子どもが自分でお片付けやお掃除ができるようになることは、良好な親子関係を維持していくためにも、とても重要なことなのです。
共働き家庭が増えて家事は分担制になりつつある昨今、男女ともに家事は必須スキルといえます。
小さい頃からお片付けやお掃除のやり方を覚えることで、子ども自身も家族の一員として家事に参加していることを意識づけられるようになります。
将来的にパートナーと一緒に家事をするのが当たり前になり、相手に不満を抱かせてしまう心配がありません。
親子でお掃除することでコミュニケーションが増えるのもメリットの一つ。
子どもとコミュニケーションを取りながらお片付けやお掃除をすれば、「お片付けは楽しいもの」「お掃除すると気持ちいい」と感じて、進んでお掃除をするようになります。
また、お片付けやお掃除を通して子どもを褒める機会が増えるため、子どもの自己肯定感も上がり自信を持てるようになります。
子どものお片付けとお掃除が習慣化するには、長い時間がかかります。子どもがどうすれば片付けられるのか、お掃除しやすいのかを一緒に考えながら、お片付けしやすい環境やルールをつくり、ポジティブな声がけを実践していきましょう。
また、成長に合わせて、お片付けやお掃除方法を変えていくことも大切です。子ども自身で習慣がつくまで、親子で楽しみながらチャレンジしてみてください。
とはいえ、一緒にお片付けやお掃除をするには時間が必要です。忙しいけれど部屋を綺麗にしたい場合や、お掃除時間を減らして子どもと一緒に向き合う時間をつくりたい場合には、「家事代行サービスを利用する」という手段も。
「忙しいから親が自分で掃除をしてしまう」「ゆっくり子どもと話すような時間がない」そんな方は、安心して家事代行を頼めるサービスを使って、子どもとの大事なコミュニケーションの時間をつくってみてはいかがでしょうか。
片付けコラムニスト、整理収納アドバイザー。クリンネスト2級。モノの多すぎる家を改善するために整理収納アドバイザーの資格を取得。片付けの資格と主婦歴20年以上の経験を活かしたライフハック、片付けや家事に関する記事を多数執筆。“家事は素早くラクに!”をモットーとした片付けのコンサルティングを手がけている。