掃除をしたいと思っているけれども、なかなかやる気になれない…
このように掃除が面倒だと感じるのは、モノの収納方法に原因があるかもしれません。収納を変えれば、掃除しやすくなり掃除頻度がグッと上がることも。部屋を綺麗に保つためには、掃除しやすい仕組みをつくることがとても大切なのです。
そこで今回は、整理収納アドバイザーが掃除しやすくなるための収納術をお伝えします。
掃除をしやすい部屋にするためには、まずは環境を整えなければなりません。掃除機をかけたり、床や棚を拭いたりすることが掃除の基本動作です。これらをスムーズにおこなえる仕組みができれば、掃除が面倒だと感じなくなっていきます。
では、どのような部屋だと掃除しやすくなるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
掃除が大変だと感じる原因の1つは、床や棚の上、いわゆる「面」にモノが多いからです。床や棚の上にモノが直置きされていると、掃除をするときにモノをいちいち移動させなければなりません。
なかには、モノを移動させずに周りをサッと拭いたり掃いたりして終わらせてしまう人もいるのではないでしょうか。それではゴミやホコリをしっかり取り除くことはできません。綺麗な部屋は、床や棚の上に置かれているモノが少ないから掃除しやすいのです。
生活しやすい動線を考えると、どうしても出しっぱなしにしておきたいアイテムもあると思います。
そんな場合は、キャスター付きワゴンのような動かせる収納グッズを活用してみましょう。掃除機を片手でかけながらでも簡単に移動できるため、掃除がとてもラクになります。
ホコリが溜まりがちなテレビボードやパソコン周りの配線。床や棚の上にコード類が散乱していると、掃除機に絡まってしまうこともあるでしょう。
配線は「浮かせる収納」にするのがポイントです。
複数のコードは結束バンドでまとめてフックに吊るし、配線はなるべく壁に這わせるなどして、床との接触を避けると掃除がラクになります。
奥行きの違う家具を並べていたり、家具と家具の間に隙間ができてしまっていたりすると、家具が障害物となり、とても掃除しにくくなります。
ですから、家具は少ないほうが掃除はラク。奥行きをそろえるために、システム家具を導入するご家庭もあります。
床に障害物が少なければ、お掃除ロボットの動きもスムーズになり、隅々まで掃除してもらえるでしょう。ロボットが掃除できない部分が減ると、あとから自分で掃除する負担も減ります。
家具のレイアウトによっては、通りにくい場所や行き止まりができてしまいます。そうすると掃除の動線がストップしてしまい、何度も同じ場所を往復することになります。
リビングダイニングはテーブルとソファの位置、寝室はベッドの位置が重要です。スムーズな動線になるレイアウトを考えてみましょう。
ホコリや汚れに気づいたとき、掃除道具をその都度取りに行くのは面倒と感じるでしょう。
それだけで掃除のハードルが上がってしまいます。
掃除を簡単にするためには、掃除をしたい場所の近くに掃除道具を収納しておくことが大切です。
すぐ掃除道具を手に取れる環境づくりのポイントを、場所別に紹介します。
キッチンは毎日使う場所だけに、すぐに汚れてしまいます。ですから、コンロ周りと水回りといった汚れやすい箇所にはなるべくモノを直置きせず、サッと拭き取れるようにしたいもの。
油汚れは早めに拭き取らないと油が固まり、汚れが落ちにくくなってしまうので、早めに掃除することが大切です。そのためにも、コンロ周りに掃除用ウエスやキッチンペーパーを置いておきましょう。出しっぱなしでもいいですが、コンロ下の引き出しや棚の手前に隠す収納にするとスッキリとして見えます。
使い勝手のよさは、人によって違います。どこが自分にとって一番取り出しやすいかを試してから、定位置を決めるのがおすすめです。
シンクは水垢がつきやすいので、サッと拭ける布またはシンク用のスポンジを用意しておきましょう。底がヌメりやすい洗剤ボトルなどは浮かせる収納にすると乾きが早く雑菌が繁殖しにくくなります。
浮かせる収納が難しい場合はラックにまとめ、できるだけ乾燥しやすい環境にしてあげてください。洗剤やスポンジなどの掃除グッズは、シンク下にまとめて収納しておくと生活感が出ないでしょう。
注意点としては、洗剤類と食材を同じスペースに収納しないことが重要です。お子さんのいる家庭は誤飲・誤食のリスクもあります。きちんと洗剤や掃除アイテム専用のスペースを確保するようにしましょう。
汚れやすい洗面所でこまめに掃除したいのは洗面台、蛇口、鏡などでしょう。歯ブラシやコップは直置きせず、吊るす収納にすると掃除がしやすくなります。なるべく洗面台にモノを置かないことがポイントです。
小さくカットしたメラミンスポンジや古布を収納ケースやプラ容器に入れ、洗面所の引き出しや鏡面裏に収納しておくとサッと掃除できます。
こまめに掃除できるよう掃除アイテムを出しっぱなしにしておきたい場合は、アイテムも収納グッズもシンプルなものを選び、色を統一させるのがおすすめです。
ブラシやスクイジーなどバスルーム(浴室)の掃除グッズは、バスルームに吊り下げておくのがおすすめです。バスルームの壁面は、タイル以外の素材ならマグネットがくっつくタイプが多いため、マグネットフックを使って吊るしておきましょう。
マグネットが使えない場合は、お風呂用洗剤はタオルバーに直接引っ掛けたり、底に穴が空いていて通気性のある収納ラックにまとめ、S字フックでタオルバーに吊るしたりしておくのもいいでしょう。
ただしタオルバーに引っ掛ける場合は、間違えて使ってしまわないようシャンプーやコンディショナーとは別の収納場所にしてください。洗剤だけ洗面所のシンク下に収納し、使うときだけ取り出す形にしても問題ありません。
風呂イスや洗面桶などのバスグッズは浴槽に引っ掛けたり、フックで吊るしたりして浮かせるように収納してみましょう。風呂床と接触しないように収納しておくと、床もグッズの底面も乾燥が早くカビにくくなり、掃除がラクです。
テレビ台や棚の上に置くモノは必要最小限にし、サッと掃除できるようにしましょう。テレビの裏にフックやラックを取り付けて、マイクロファイバークロスやウエスをしのばせておくと、気づいたときにすぐに拭き掃除ができます。
ダイニングテーブルは、食べこぼしや飲みこぼしですぐに汚れてしまいます。
お子さんのいる家庭では、ティッシュペーパーやウェットティッシュは食事中の必須アイテム。
これら3つの方法を試してみて、ご自分に合った収納方法を決めてください。
ホコリがつきやすいカーペットやラグ、ソファの近くには粘着カーペットクリーナーを置いておくと気軽にゴミが取れるので、掃除がラクになるでしょう。
トイレの床は、尿はねなどの汚れがとてもつきやすいもの。なので、床に掃除グッズやトイレットペーパーなどを直置きするのは避けましょう。
直置きは、その道具もどかして掃除をすることになり、掃除がしにくくなります。掃除グッズはトイレの棚に入れておくのがおすすめです。
トイレには収納棚がない場合も多いです。そんなときは突っ張り棒や突っ張り棚を活用して収納スペースを確保し、そこに掃除グッズを収納するなどして、工夫するようにしましょう。
パソコンのケーブルやコード類でごちゃごちゃするデスク周りは、ケーブルボックスを使ってコード類が見えないようにするとスッキリします。ただし、コード類をぐるぐると巻いた状態で使用するのは、発火の恐れがあるのでやめましょう。使用していないときは束ねてもOKです。
デスクの上にはなるべくモノを置かず、サッと拭き取れるようにすると、いつも綺麗なデスクをキープできます。デスクの引き出しにケースに入れたウエスや掃除用クロスを収納しておいたり、デスク横に吊るしておいたりすると掃除しやすいでしょう。
デスク周りがスッキリしていることで、仕事の効率もアップします。
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キッチンマットやバスマット、ラグなどが敷いてあると、掃除機をかけるときにマットそのものとマット下も掃除機をかけることになり、二度手間ですよね。
また、小さな子どもがいる家庭では、食べこぼし頻繁に起こるので、ラグやマットを敷いていると余計に掃除が面倒な場合もあります。
しかし、マット類は床を衝撃から守ってくれたり、床自体の汚れを防いでくれたりします。こまめにマット類のお手入れができるのであれば、ラグやマットを敷くメリットはあるでしょう。
一方、マット類のお手入れが面倒に感じるならば撤去しても構いません。
環境によってマット類が必要かどうかは変わってくるので、敷くか敷かないかは家族と話し合って決めるのがおすすめです。
お部屋の綺麗を維持するには、まず掃除しやすい環境をつくることが大切です。収納のちょっとした工夫次第で掃除のハードルが下がり、こまめに掃除できるようになります。日々のホコリを取り除ければ、念入りな掃除は必要なくなっていくでしょう。
掃除のしやすい部屋は、おしゃれな部屋だと言えます。綺麗でおしゃれな部屋で過ごすのは心地よいものです。ぜひ掃除しやすい収納に変えてみてください。
毎日の掃除が大変で、ストレスが溜まってしまっている方は、ぜひ家事代行サービスの使用を検討してみてください。
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片付けコラムニスト、整理収納アドバイザー。クリンネスト2級。モノの多すぎる家を改善するために整理収納アドバイザーの資格を取得。片付けの資格と主婦歴20年以上の経験を活かしたライフハック、片付けや家事に関する記事を多数執筆。“家事は素早くラクに!”をモットーとした片付けのコンサルティングを手がけている。