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SDGsフードロスについて考える「余り野菜をリメイクしよう」

『SDGsフードロスについて考える「余り野菜をリメイクしよう」』

メディアや街中で「SDGs(エスディージーズ)」という言葉を耳にすることが増えました。2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされ国内の認知度は5割を超えたそうです。
”なんとなく知っているSDGs”ではなく、日々の暮らしの中で取り入れやすいアクションを考えてみませんか?

目次

「SDGs(エスディージーズ)」とは?

2015年の国連サミットで加盟国が合意して採択された国際目標で、正式には「Sustainable Development Goals」日本語訳すると持続可能な開発目標ということですが、簡単に言うとみんなが安心して、地球で暮らし続けられるための目標のこと。
17の目標があり、国や自治体、会社の取り組みはもちろん、私たち一人ひとりが当事者意識を持って取り組んでいこう、という目標です。

フードロスについて

「もともと食べられない部分」を捨てることは食品の廃棄になりますが、フードロスには含みません。 食品廃棄のなかでも本当は食べられるはずなのに、捨てられてしまうものをフードロスと呼んでいます。

フードロスについて

つまり肉や魚の骨や貝殻、フルーツの種や芯などは食品廃棄、消費期限切れの食品や食べ残し、可食部分を多く切り捨ててしまった食材などがフードロスに該当します。
年間約612万トンのフードロスのうち、飲食店や販売店などの事業系ロスが約328万に対し家庭系ロスは約284万トンで、1/3以上は家庭から発生しており、日本人1人当たりお茶碗1杯分のごはんの量が毎日捨てられている計算になるそうです。(平成29年度)
参照:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kankyoi/200414.html

年間約612万トンのフードロス

フードロス問題は17の目標のうち「12 つくる責任 つかう責任」にあたります。
日本の食料自給率は38%と言われ、食料の多くを外国から輸入に頼っており国内生産の食糧では足りないにもかかわらず、私たちは多くの食品を廃棄しています。2018年の世界の栄養不足人口は約8億人とされ、これは全人口の10%以上を占めます。世界では食料が余り大量に破棄している国と、足りない国が同時に発生しているのです。
また余った食べ物の多くは可燃ごみとして廃棄され、それらを輸送・焼却する際に多くの二酸化炭素を排出し、地球温暖化に繋がる問題も起こっています。

実践!余った野菜やフルーツを有効活用しよう

いつもは廃棄している野菜の皮や外葉などのくず野菜や、調理して余ったり傷んでしまった食材も、ちょっと工夫すると美味しくリメイクできます。

実践!余った野菜やフルーツを有効活用しよう

ベジブロスに余り野菜とラム肉、硬くなったパルメザンチーズを加え塩で調味しています。

・ベジブロス(野菜だし)

ベジブロス(野菜だし)

野菜の皮や外葉、芯やヘタなどのくず野菜から作る野菜のだしは野菜そのものの旨味や甘みが染み出し、くず野菜とは思えないほど良いだしが取れます。
野菜の皮や種には多くのフィトケミカルと呼ばれる成分が多く含まれています。フィトケミカルは免疫細胞の働きを高め活性酸素の働きを抑える作用がありアンチエイジングにも効果的。
体内で吸収しにくい性質がありますが、じっくり煮込むと栄養分がスープに溶け出し吸収されやすくなります。
ベジブロスはおみそ汁やスープ、シチューなどに活用したり、煮物や炊き込みご飯に加えても美味しい万能だし。離乳食やヴィーガン料理にも最適なので、ベジブロスを製氷機で凍らせて小分けにして冷凍保存しておけば調理の際に使いやすいですよ。

作り方は簡単。
両手いっぱい分のくず野菜をよく洗い、鍋に入れ水1ℓと酒小さじ1を加え弱火で20~30分煮て濾す。(酒は野菜のうまみを引き出し臭みを消してくれます。)

ベジブロスの 作り方は簡単

圧力鍋で作る場合は沸騰して圧力がかかったらすぐに火を止め、余熱で圧が下がるまで待てばOK。10分ほどで完成!
冷蔵庫で3日、冷凍庫なら1か月を目安に保存しましょう。

作るときのポイントはたくさんの種類の野菜を使うこととアクを取らないこと。
アクにはフィトケミカルが多く含まれているので取らなくてOK。
おすすめは香りがよくなるセロリの葉やパセリの茎と、柔らかい甘みや旨味をプラスしてくれる玉ねぎとにんじんの皮。
今回はアスパラガス、じゃがいもや大根の皮も加えました。
その他にもトマトの皮、小松菜の茎、長ネギやトウモロコシの芯、パプリカのヘタ、かぼちゃの種なども美味しいです。
ベジブロスに昆布を加えれば和風に、洋風の時はローリエなどのハーブを、アジアンにするならパクチーの根やレモングラスを加えるとさらに美味しさがアップします。

・干し野菜

干し野菜

野菜を薄切りにして干するだけで出来る干し野菜。 太陽光を浴びた干し野菜は保存性が高いだけでなく旨味がギュッと凝縮され、栄養価がアップします。カラッと晴れた日に半日~1日風通しの良い場所に置きましょう。

野菜を薄切りにして干するだけで出来る干し野菜

ザルに並べて置くだけでも良し、干し野菜用の吊るすネットで作るも良し。
トマトなど水分量が多い野菜は2,3日で食べきりましょう。
干し野菜はおみそ汁、炊き込みご飯、卵焼き、ラタトゥイユなどに加えるのがおすすめです。
オーブンの場合は100℃で1時間(余熱なしでOK)加熱すれば完成!
基本的には水分の少ない野菜が作りやすく、定番なのは大根、ニンジン、かぼちゃなど。
玉ねぎ、パプリカ、ズッキーニ、オクラも美味しいです。
我が家ではミニトマトでよく作ります。セミドライトマトにしてパスタの具やスープに入れたり、オイル漬けにしても美味しいです。

美味しいセミドライトマト

・ピクルス

余った野菜、フルーツをピクルスにすれば冷蔵庫で1~2週間日持ちします。 そのまま食べるのはもちろん、刻んでドレッシングやソースに加えても美味しいです。 今回は基本のピクルス「カラフルピクルス」とこどもにも好評なフルーツ入り「オレンジ風味のピクルス」をご紹介します。

『カラフルピクルス』

カラフルピクルス
  • 【材料】(作りやすい分量)
  • にんじん…1/2本
  • きゅうり…1本
  • 大根…4センチ
  • カリフラワー…1/4個
  • A リンゴ酢…150cc

    水…150cc

    きび砂糖…大さじ2

    塩…小さじ1

    ローリエ…1枚

    ホワイトペッパー、ピンクペッパー(ホール)…各3~4粒

    コリアンダー(ホール)…3~4粒

作り方

  1. きゅうりはヘタを切り落とし、にんじんと大根は皮をむき、それぞれ4センチの長さに切り、消毒した保存容器に入れる
  2. カリフラワーは洗って一口大に切り分け、耐熱容器に入れる。ふんわりラップをかけ600Wで2分加熱し、(1)に加える
  3. Aをお鍋に入れて加熱し沸騰したら火を止める。熱々を(2)へヒタヒタに入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間おく

熱々のリンゴ酢をヒタヒタに入れる|カラフルピクルス 粗熱が取れたら冷蔵庫へ|カラフルピクルス

『オレンジ風味のピクルス』

オレンジ風味のピクルス
  • 【材料】(作りやすい分量)
  • オレンジ…1個
  • ピンクグレープフルーツ…1/2個
  • いちご…2~3個
  • にんじん…1/2本
  • パプリカ…1/3個
  • ミニトマト…5個
  • オレンジのしぼり汁…大さじ1
  • A リンゴ酢…150cc

    水…150cc

    きび砂糖…大さじ2

    塩…小さじ1

    ローリエ…1枚

    ホワイトペッパー(ホール)…3~4粒

    コリアンダー(ホール)…3~4粒

作り方

  1. にんじんは皮をむき4センチの長さに切り、パプリカは食べやすい大きさに、ミニトマトといちごはヘタを取り、消毒した保存容器に入れる
  2. オレンジとピンクグレープフルーツは薄皮と実の間に両側から包丁を入れて実を取り出し、(1)に加える

  3. 包丁を入れて実を取り出す|オレンジ風味のピクルス
  4. Aをお鍋に入れて加熱し沸騰したら火を止めて、オレンジのしぼり汁を加える。熱々を(2)に回しかけ、粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間おく

Aのピクルス液は酸に強いホーローまたはステンレスのお鍋で作りましょう。
しっかり殺菌消毒した容器に保存すれば冷蔵庫で1か月ほど日持ちします。

フードロスは日々の暮らしの中の小さな心がけが大切

フードロスは日々の暮らしの中の小さな心がけで、大きな効果を生み出せる問題だと思います。
手に取る食材、作る過程、余った食材を有効活用するなど、少し意識して行動したことが積み重なると大きな削減へと繋がります。
そうした行動は子どもにとって良い学びとなるので、ぜひ家族で取り組みたいですね。
「これは食べられるところがあるでしょうか?」とクイズにして、実際食べて「どんな味かな?」と感想を聞いてみる。そんなコミュニケーションが食に興味を持ち、食べ物を大切にするきっかけとなり食育にも繋がります。
そんな家族との時間をつくりたい場合には、「家事代行サービスを利用する」という手段も◎。
クラシニティは共働き世帯や働く女性を応援する家事代行サービス。日々の掃除や洗濯、アイロン掛けなど家事全般のお手伝いをします。
家事代行サービスを利用すれば、仕事や家事で慌ただしい時も子どもとの大切な時間を過ごせます。
一緒に食材に触れ、考え、料理をしてみる。
苦手な食材も自分で選んだり触ってみることで「食べてみよう」と挑戦するきっかけとなり、食べる意欲がわき、その結果食べ残しも減ります。
それが家庭でできる食育です。
家事はプロに任せれば、子どもに貴重な学びの場を作ることができますね。

Profile 田村佳奈子

フードスタイリスト、フードライター
ジュエリー業界から転職してフリーランスに。
広告・web・雑誌のスタイリング、ドラマのフードコーディネーター、レシピ開発などを行う。
お酒に合う料理とおもてなし料理が得意。3歳の娘が喜ぶごはんとおやつを日々探求中。

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