「おしゃれな家具を置いたのにしっくりこない」「模様替えをしたのに垢抜けない」このようなインテリアの悩みを解決するヒントは、意外にもあなたの暮らしの中にあります。自分の好みを理解し、自分らしいインテリアを追求していくと、次第に理想の部屋に近づいていくでしょう。
今回はおしゃれで心地良い部屋を作るためのポイントとして、ありがちなインテリア失敗例から自分らしいインテリアテーマ選び方、垢抜けテクニックまで幅広くご紹介します!
インテリアには「ナチュラル」「モダン」などのジャンルがあり、これによってお部屋のテーマが決まります。ジャンルをミックスさせることも可能ですが、意図的に組み合わせるのと無視して好き放題のコーディネートにするのは違います。
試しに、ご自身の部屋を玄関から入って見渡してみてください。客観的に見てインテリアのテーマは伝わりますでしょうか?
例えば上の画像から伝わるテーマは「上質な和モダン」です。この部屋の主な和の要素は畳ですが、少し前から流行っている畳縁のないシンプルな琉球畳にしているため、和とモダンが融合した雰囲気です。また照明にも工夫が見られ、小上がり和室の入り口の足元には間接照明を施工し、和室奥には置き型の部分照明を配置しています。落ち着いた明るさの照明を贅沢に使うことで、リラックスした上質な雰囲気を作り出しているのです。
インテリアでは統一感が大切とよく言われます。しかし、その意味を勘違いして単に同じ家具や色で統一すると、おしゃれとは程遠いもっさりとした雰囲気になることがあります。
例えば壁や家具を全て同色で統一した場合、のっぺりとした暗い雰囲気になってしまいます。あえて単色でコーディネートする高度なインテリアテクニックもありますが、家具の質感や色のトーンを変えてメリハリをつけ、照明の光や観葉植物の配置などで単調にならないように工夫する必要があります。インテリアにおいて「統一感がある」とは「空間全体の調和がとれている」という意味で、単に揃えるということではありません。
それから全ての家具を同じメーカーで統一し、お店のディスプレイと同じようにレイアウトしても、しっくりくる部屋になるとは限りません。いくらデザイン性の高い家具でも、部屋のサイズや住む人の雰囲気にフィットしていなければ「借り物」に見えてしまうからです。
そもそもインテリアは自分らしさの表現であり、住む人とインテリアが調和することで居心地の良さやその人らしいセンスの良さが生まれます。
つまり、自己理解がなければインテリアのテーマが決まらず、部屋と住む人が調和しません。「流行だから」「メーカーものだから」という理由だけで家具を選ぶと、あなたらしさが感じられず、ぱっとしない寄せ集めの空間になってしまいます。
自分らしさは時間と共に変わっていくもの。家具は長く使うものですから、今の自分だけでなく未来の自分のことも考えてテーマを考えたいところです。既に好みのジャンル・インテリアのテーマが決まっている方も、自分の理想の部屋作りをしていくために、さらに自分らしいインテリアテーマを追求しましょう。
私が実践しているのは「自分が嫌いな物も理解すること」。例えば部屋のアートを選ぶ際、嫌いな物があったらなぜ嫌いなのかを分析します。好き・嫌いを対比しながら考えると、自分が将来目指したい方向性がさらにはっきりと見えてくるようになります。自分なりの「インテリアの軸」が生まれ、多少好みが変わっても軸がぶれないため、個性的かつ調和のとれたインテリアをキープできるでしょう。
また、賃貸と持ち家ではインテリアにおける選択方法が少し異なります。賃貸では壁や建具といった、変えられない部分が多くある一方で、引っ越せば大きく雰囲気を変えられます。どんな間取りでも合わせやすいように、シンプルなタイプの家具を選ぶと良いでしょう。逆に持ち家の場合は、壁の色から間取りまであらゆるものを自由に選ぶことが可能ですが、同時に決めることが多くなってしまいます。そのため、賃貸よりも一層、明確な「インテリアの軸」を持った選択が必要です。
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居住年数が長くなると物が増え動線を圧迫し、窮屈な見た目になってくることがあります。余白を意識して家具のレイアウトや収納を見直し、ゆとりがあって心地良い空間を目指しましょう。
余白の理想的な目安は、家具が床を覆う面積を部屋の1/3程度にすること。部屋がスッキリし、1つ1つのアイテムが綺麗に見えます。また、収納においては8割程度の容量に抑えると、物の出し入れがスムーズになると言われています。
レイアウトにゆとりを出すコツは収納の工夫や背の低い家具で統一するなどの方法に加え、部屋に1本のラインができるように家具を配置ことです。例えば上の画像の右側を見ると、手前のリビングから奥のダイニングまで一直線のラインがあります。部屋に入った時、視線が部屋の遠くに向かうことで奥行きがあるように感じ、部屋にゆとりがあるように見えます。
アンティーク家具などの古い物や受け継がれた物はお部屋のテーマをぐっと引き立たせてくれます。そういった物には年月を経たからこその味わいや奥深さがあり、個性となってお部屋の中で存在感を放つからです。実際に海外では住宅も家具も古い物の方が評価され、「良い家具は引き継ぐもの」と考える国もあります。
小物ディスプレイの基本には、同じ高さの物ばかりを揃えないことや、背の高い物を背の低い物の背後に置いてバランスをとることなどがあります。ここではさらに一歩進んだ、こなれ感を演出する飾り方をご紹介します。
これは三角構成と呼ばれ、背が高い小物を頂点としてその周りに三角形になるように背が低い小物を飾る方法です。高低差で空間にメリハリが生まれ、なおかつ1つの図形としてまとまりがあるように見えます。
三角構成は三角形の種類によって効果がさまざまあります。例えば等辺三角形の構成の場合、中央に背の高いアイテムを置いて両サイドに背の低い物を置きます。末広がりで安定感があり、シンメトリーできちんとして見えるのが特徴です。
それから不等辺三角形の場合、三角形の頂点が中心よりズレることでディスプレイに動きが生まれ、カジュアルな印象を与えます。
フォーカルポイントとは部屋に入って最初に視線が向かう場所のことで、うまく活用すればお部屋をワンランクアップできます。例えば和室の床の間や、壁のニッチ(壁の一部に作るへこんだ部分のこと)、部屋のコーナー部分などがフォーカルポイントになる場所です。
フォーカルポイントには自然と目が行くため、そこに配置するアイテムによってお部屋の印象を変えられます。例えば鮮やかな花を飾ると華やかでエレガントな印象を与え、年代物のオブジェやお気に入りのアートを配置すれば自分らしさを表現できます。
また、フォーカルポイントを使って季節感を表現するのもおすすめ。ホリデーシーズンにツリーを飾ったり、元旦はミニ正月飾りをディスプレイしたりして楽しみましょう。
1つの部屋で複数の照明を設置する手法「一室多灯照明」を取り入れると、ムードのある雰囲気を作り出すことができます。スタンドライトなどの部分照明や、光源を隠しながら壁や天井に向けて光を反射させる間接照明などを組み合わせると、立体感のある空間作りが可能です。
また、照明の光の色・明るさにはさまざまな種類があるため、部屋の用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。一般的には、橙色は落ち着きをもたらし、白い光は文字を読みやすくする効果があります。リビングは色々な使われ方をする空間ですが、くつろげるリビングに適しているのは穏やかな橙色の光です。リビングのソファで本をゆっくり読みたい方には、光度調節できて色温度が変化できる灯りが手元にあると、白い光で快適に読書できるので便利ですよ。
多灯照明の例を見てみましょう。
ソファの奥には、座りながら本を読めるように白く明るい光のフロアランプを置き、手前のテーブルには光が直接目に入らない穏やかなテーブルランプを配置しています。必要な場所は明るくし、そうでない場所は必要以上に明るくしないことで、落ち着く雰囲気になっていますね。
垢抜けない部屋から脱却する上で大切なことは、自分らしさを理解し自分なりのインテリアの軸を作ることです。始めるのは簡単ですが、その先は長い道のりになります。というのも、自分を理解して個性を出すには時間がかかり、理想のインテリアはライフスタイルによって変化するからです。
つまり理想のインテリアとは、住みながらじっくりと育てていくものと考えたほうがよいでしょう。暮らしの変化に合わせ、家具の位置や小物の飾り方を少しずつ見直してみてくださいね。
忙しい毎日の中でインテリアや自分自身と向き合う時間を作るのが困難だと感じたら、家事代行サービスを利用するのもおすすめです。やらなければいけない家事をアウトソーシングすることで、落ち着きのある時間をしっかり確保できますよ。
クラシニティでは毎回同じハウスキーパーが対応しお客様の希望に沿ったサービスを提供することで、心地良い暮らしをサポートします。まずは初回お試しサービスを利用し、インテリアと向き合う時間を作るきっかけにしてはいかがでしょうか。
家具コンシェルジュ・インテリアライター。インテリア・家具・収納・植物記事の執筆やお部屋づくりのお手伝いをしています。「自宅がどこよりも最高の空間になる家具選び」をモットーに、ぴったりな家具を提案するのが生きがい。椅子コレクター・植物マニア・DIY好きでもあり、椅子のために家を建築し、自宅では30鉢以上の植物を育てて、休日は趣味で空き家のセルフリノベーションもしています。