アペロ(l'Apéro)とは食前酒”アペリティフ(apéritif)”の略称で食前酒のこと。フランスでは夕食前に軽くお酒とおつまみをつまんで会話を楽しむ食習慣のこともアペロと呼び、日常的に楽しまれています。夕食までの時間は家族や恋人、友人と過ごしたり、一人でリラックスして過ごす大切な時間で、皆それぞれアペロを楽しみます。そのためフランスではアペロを楽しむ時間があるため夕食は日本よりも遅い20時以降からが一般的です。
また、フランスのレストランやバーで食前酒をオーダーすると、オリーブやナッツ、ポテトチップスなどが一緒に運ばれてきます。一方、おうちでアペロを楽しむ際、フランス人は冷凍食品専門店「ピカール」や、「エピスリー」(食料品店)、「シャルキャトリ」(食肉加工品店)などで購入したお惣菜をおつまみにするそうです。
アペロは日本ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、お惣菜を購入してうつわに盛りつけるだけでも充分素敵なアペロスタイルといえるでしょう。アペロはあくまでもお酒とともに会話を楽しむことが重要なので、すぐに食卓に並べられるもの、手間をかけないおつまみが主流。近年はアペロをそのまま夕食にしてしまう「アペロ・ディナトワーズ(les apéros-dînatoires)」のスタイルも増えているそうですよ。
アペリティフの定番飲み物といえばシャンパン。白ワインとカシスのリキュールを合わせたキール、白ワインをシャンパンに変えたキールロワイヤルも人気の食前酒です。
シャンパンにベリーとミントを添え、市販のサブレをお供にしました。甘くない塩サブレはおつまみにもおすすめです。
シャンパンには氷の代わりに凍らせたベリーを入れると、暑い夏も長い時間ひんやりと飲めます。
そのほかビールやモヒート、ビールとレモネードを半々で割ったパナシェなどもおすすめ。日本で人気のクラフトビールは、フランスでも人気があり、アペリティフの定番飲み物のうちの1つです。
アペロは季節を問わず楽しめる食習慣です。特に日が長い夏は、夕暮れ時のテラスやお庭でゆったりアペロを楽しめる最高の季節。夏のホームパーティーに取り入れれば、ゲストにも楽しんで過ごしていただけることでしょう。
アペロは「手軽に楽しむ」スタイルが大切で、手の込んだおつまみを用意する必要はありません。「そのまま」「切るだけ」「焼くだけ」といった、手間をかけずに楽しめるものや市販のものを活用するのも良いでしょう。
リエットやパテ、コンフィなど常備菜として作り置きしているご家庭もあるかもしれませんが、購入したものをバゲットにのせる、ハーブやスパイスを添えて食卓に出すというのも素敵です。
手軽なおつまみの定番と言えばオリーブやナッツ、野菜スティックなどがありますが、今回は来客時にも使えるお手軽な夏のアペロおつまみレシピをご紹介します。
「タルティーヌ」とはオープンサンドのことで、スライスしたバゲットにお好みの具材をのせたもの。パンに具材をのせてオーブンで焼くものもあれば、ブリーやブルーチーズなどチーズをのせるだけのもの、フルーツやジャムをのせたものも、すべてタルティーヌと呼ばれます。「パンに何かを塗ったらそれだけでタルティーヌよ」とフランス人が言っていましたが、その通り難しく考えることはありません。今回はシャンパンとの相性が良い、クリームチーズを使ったレシピをご紹介します。
【作り方】
サーモンや生ハムはクルっと巻いてのせるとお花のようになり、華やかさがアップしますよ
お次は、お刺身用の魚をドレッシングで和えたシーフードのタルタル。お好みで旬のお刺身を2~3種類混ぜると彩りよく美味しさの相乗効果もあるのでおすすめです。セルクルで形を整えるとおもてなし感が増します。
Aオリーブオイル…大さじ2
白ワインビネガー…大さじ1/2
ライム果汁…1/2個分
塩…少々
ホワイトペッパー…少々
【作り方】
※セルクルがない場合はクッキー型を使ったりレンゲなどのスプーンに盛ったり、そのままうつわに盛り付けるのもおすすめです。
セルクルを使用するときは、セルクルを外した時に崩れないように具材をスプーンで上から軽く押して形を整えましょう。
「エルブ・ド・プロヴァンス」とはフランス・プロバンス地方で採れるハーブを混ぜ合わせたハーブミックスのこと。数種類のハーブをバランスよくブレンドした独特のハーブミックスで、主にタイム、ローズマリー、セージ、フェンネル、ローレル、ローズマリーなどが入っています。
色々な市販品があり、手軽で本格的な味に仕上がりますので、ぜひ試してみてくださいね。今回はラムチョップを塩とハーブで調味し、オーブンで焼くだけの簡単でごちそう感のあるレシピをご紹介します。
【作り方】
*ミディアムレアは7分ほど、ミディアムやウェルダンに仕上げたい場合は様子を見ながら9~10分程を目安に焼きましょう。
酸味と彩りのあるシンプルな一皿。ラムチョップを焼くときに一緒にオーブンへ入れると時短で手間が省けます。
トマトはじっくり加熱すると甘みが凝縮されて、うまみが増します。また、丸ごと焼くよりも、半分に切った方がトマトの汁があふれてジューシーに仕上がります。味付けは塩とオリーブオイルをかけるだけで十分ですが、お好みでハーブやにんにくを足すのもおすすめ。
ミニトマトは汁ごとパンにのせて食べたり、サラダのドレッシングにしても美味しいですよ。ミニトマト以外にも、ズッキーニやオクラ、かぼちゃなど夏野菜をプラスするとさらに彩り華やかな一皿になります。
【作り方】
冷めても美味しく冷蔵庫で4~5日保存が可能なので、常備菜としてもおすすめです。
今回は、アペロの習慣やおすすめの飲み物、夏にぴったりなおつまみレシピなどをご紹介しました。日の長い夏はアペロにぴったりな季節なので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。忙しい毎日の中で、アペロを楽しむことが出来たら至福の時になること間違いなしです。
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フードスタイリスト、フードライター
ジュエリー業界から転職してフリーランスに。
広告・web・雑誌のスタイリング、ドラマのフードコーディネーター、レシピ開発などを行う。
お酒に合う料理とおもてなし料理が得意。3歳の娘が喜ぶごはんとおやつを日々探求中。