「夏の暑さ対策はしたいけど部屋の雰囲気は損ないたくない」
「環境にやさしい、エコな暑さ対策も考えたい」
そんな方におすすめなのが、インテリア視点での暑さ対策です。色や素材、香りが持つ効果を活用すると、コーディネートを楽しみながら涼をとれます。インテリア効果により体感温度が下がることで、電気に頼り切りの暑さ対策から脱却できるでしょう。
まずは色の持つ力を応用した暑さ対策です。色は私たちの視覚や心理に大きく影響し、暑さへの感じ方さえも変えてしまいます。
青や青緑などの寒色は、夏のインテリアで視覚的な涼を演出するのに最適です。実際に暖色でまとめたインテリアと寒色でコーディネートしたインテリアでは体感温度が2〜3℃違うという実験結果もあります。
寒色は、カーテンやソファカバー、クッションカバー、ラグなどで導入できます。これらは、家具と違って模様替えしやすいのがメリットです。
ラグの模様替えについては「【ラグの選び方・敷き方】上級者テクニックでセンス光るリビングへ」でご紹介しています。
寒色を使う面積が広くなるほど涼しさを体感しやすくなりますが、使いすぎると寒々しい雰囲気になるので、割合に注意しましょう。
参考になるのは「7:2.5:0.5」というインテリア黄金比です。これは、左からベースカラー(天井や壁などの色)、アソートカラー(ソファなどの大きな家具の色)、アクセントカラー(小物などの色)の割合を表します。この割合を厳密に守る必要はありませんが、目安にしてバランスのとれた空間を目指しましょう。
この比率を参考にすると、寒色を多めに使いたい場合は全体の25%程度、差し色に留めたいなら5%程度にすればよいということになります。
白は爽やかで清潔感があり、視覚的な暑苦しさの軽減にぴったりな色です。また、ご存知のように、白は太陽から出ている放射エネルギーのほとんどを反射します。この反射により部屋を明るく広く見せるので、開放的なサマーインテリアにおすすめです。
カーテンやソファのカバーなどを白に模様替えし、涼しげな部屋を目指しましょう。
白は紫外線を通す性質があるため、カーテンを白にする場合はUVカットタイプをおすすめします。それから、純白に近いホワイトを多用すると緊張感が増すため、シンプルなインテリアであっても植物などを取り入れてバランスを取りましょう。
涼しげな森の避暑地を連想させる淡いグリーンは、心理的アプローチとしての暑さ対策にぴったりな色です。ブルーよりもインテリアに合わせやすく、木製のフローリングや家具にも合います。
どんな色とも調和するのは、グリーンが色相環の中で暖色でも寒色でもない中間色だからです。また、目に優しくリラックス効果もある色なので、ベッドカバーなどに取り入れる寝室インテリアにも適しています。
淡いグリーンはぼんやりとした印象になりがちなので、濃いアクセントカラーで引き締めるとよいでしょう。おすすめは濃い緑色やブラウン、黒で、クッションや枕の柄の一部などとして取り入れると悪目立ちしません。
続いて、素材を活かした暑さ対策です。同じような家具や小物であっても、素材が違うだけで涼しさの感じ方が大きく変わります。
ひんやりとした印象のガラスは、涼やかな夏のインテリアに欠かせない素材です。透明度が高いほどスタイリッシュに見えますが、寒色や薄いグレーなどにして部屋のアクセントにするのもよいでしょう。
アイテムとしては、ガラスの花器やオブジェが一般的で、他にはガラスのスタンドライトやデスクライトなどもあります。
ガラスは光を反射しているときが最も涼しげで美しいので、窓際や明るい場所に飾るのがおすすめです。ただし、植物とセットにする場合は直射日光にご注意を。
天然の接触冷感素材とも言われるリネンは、サマーインテリアにぴったりな素材です。涼しく感じる理由は熱伝導率が高いためで、触れた瞬間に生地へ熱が移動し、体の熱が奪われることでひんやりと感じます。また、通気性や速乾性にも優れており、たくさんの汗をかく夏も快適に過ごせるでしょう。
リネンのインテリアアイテムとしては、ソファカバー、クッションカバー、サマーブランケット、テーブルクロス、カーテンといったものがあります。
リネンはラフな印象を与える素材なので、スタイリッシュなインテリアに合わせるとノイズになることがあります。枕カバーをリネンにしたらシーツもリネンにするなど、1点ではなく複数のアイテムで取り入れて調和させましょう。
籐(ラタン)は通気性と吸湿性に優れた天然素材です。安楽椅子によく使われており、暑い日に座ってもムレを防いで快適に過ごせます。見た目も涼しげで、視覚的な暑さ対策にもぴったりです。
ラタンのインテリアアイテムには座椅子やカウチソファ、リビングテーブル、スツール、バスケット、照明などがあります。
ラタンはリゾートインテリアに使うものと思われがちですが、上の画像のような北欧モダンやシンプルモダンインテリアにもぴったりです。その際、ラタン独特の質感や網目は強いアクセントになるため、部屋全体の色を絞った方がスッキリとして綺麗に見えます。
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最後は香りを使った暑さ対策です。シーンに合った香りを部屋に取り入れると、暑い夏も快適に過ごせます。
ミントに含まれるメントールは、人間が持つ「冷たさを感じるセンサー」を刺激し、実際には気温が低下していないのに涼しいと感じさせます。また、ミントの香りをかぐと、体感温度の差が4℃も生じたという実験結果もあり、暑い夏のクールダウンにぴったりです。
植物のミントを飾って涼む方法もありますが、精油にしたミント(ハッカ油)を室内用スプレーにしたり、浴槽に1〜2滴垂らしたりしてクールダウンする方法もあります。
ただし、ハッカ油は刺激が強いため、使い方に注意が必要です。量が多いと涼しいどころか寒く感じることがありますので使用量に気をつけ、原液には直接手で触れずにスポイトなどを使いましょう。
【ハッカ油スプレーの作り方】
暑くて寝苦しい夏の夜の寝室には、ラベンダーの香りがおすすめです。副交感神経を優位にすることで心を落ち着かせ、安眠をもたらしてくれます。また、品種によっては青紫やブルーといった寒色の花もあり、視覚的な涼み方としてもおすすめです。
ガーデニングで育てたラベンダーの花を飾る方法もありますが、香りだけを手軽に楽しむならアロマオイルやお香を活用しましょう。
料理にも使われるローズマリーは、夏にぴったりな爽快感のある香りが特徴です。創造的な発想を促すとの実験結果もあり、リフレッシュや集中力アップに効果的だと言われています。
インテリアとして取り入れるなら、書斎やワークスペース、キッチンといった仕事や作業をする場所がおすすめです。鉢植えやカット済みのローズマリーを飾ってもいいですし、アロマストーンにローズマリーのオイルを垂らして楽しむ方法もありますよ。
一般的な暑さ対策と言えば、エアコンやサーキュレーターを使う方法ですが、カラーや素材、香りを工夫するインテリア思考の暑さ対策は、省エネにつながってデザインも楽しめるのがメリットです。
通常の夏の暑さ対策とインテリア思考の暑さ対策を併用すれば、単に涼しいだけでなく満足感も得られます。小物の追加やクッションカバーの取り替え、アロマオイルの準備といった部分的な模様替えなら負担にはなりません。
とはいえ、色の組み合わせを考えたりアイテムを揃えたりするには時間が必要です。そういった時間がなかなかとれない場合は、家事代行サービスの利用を考えてみましょう。
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家具コンシェルジュ・インテリアライター。インテリア・家具・収納・植物記事の執筆やお部屋づくりのお手伝いをしています。「自宅がどこよりも最高の空間になる家具選び」をモットーに、ぴったりな家具を提案するのが生きがい。椅子コレクター・植物マニア・DIY好きでもあり、椅子のために家を建築し、自宅では30鉢以上の植物を育てて、休日は趣味で空き家のセルフリノベーションもしています。