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ヴィーガン料理で健康と環境に優しい食事を!簡単レシピもご紹介

ヴィーガン料理で健康と環境に優しい食事を!簡単レシピもご紹介

野菜や果物を中心とした食生活を送る、ヴィーガン。近年、週末だけヴィーガンを取り入れるという方が増えています。この記事ではヴィーガン料理におすすめの食材、調味料や調理法をご紹介しています。レシピも掲載しているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

ヴィーガンとは?ベジタリアンとの違い

ヴィーガンとは完全菜食主義者とも呼ばれる、野菜や果物を中心とした食生活を送るライフスタイルのことです。ヴィーガンとよく比較されるベジタリアンは、健康を意識して肉や魚を食べないライフスタイルのことを指しますが、ヴィーガンでは肉や魚だけでなく、乳製品・卵・ハチミツといったすべての動物性由来の食材を食べないことを主義としています。さらに、食生活だけでなく衣類や化粧品(製造過程で動物実験をしていない)など、生活の中で使うものにおいても動物性由来のものを避ける生活を送る人のことをエシカル・ヴィーガンと呼ぶこともあります。

ヴィーガンのメリットと取り入れやすい方法

ヴィーガンの歴史をたどると1950年代まで遡りますが、世間一般に広まったのは近年になってからのこと。2006年に国連が「畜産動物が空気中のメタンガスを発生させる一番大きな原因である」というレポートを発表したことを皮切りに、環境問題の観点から着目され始めました。また、ポール・マッカートニー氏が提唱した、”月曜日は肉を食べない日にしよう”という「ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)」をきっかけに、市民にも浸透。植物性の食材からつくられる食品、プラントベースフードの普及とともに、ヴィーガンはより身近な存在となりました。さらに最近では週末のみヴィーガンを取り入れる「週末ヴィーガン」が流行。世界中で注目されています。
ヴィーガンのメリットである、環境への好影響はなかなか体感できませんが、環境をより良くしているということで精神的に健全な気持ちになれます。また、継続することで、もう1つのメリットである身体的な効果を感じることができます。個人差はありますが、代表的なものでいうと内臓への負担軽減、腸内環境の改善、ダイエット効果、肌質改善などの効果が期待できます。特に日本人は、体質的に乳製品や牛乳に含まれる乳糖が分解しづらいとも言われているので、動物性のものや乳製品を減らすことから始めると実感しやすいでしょう。ここからは、ヴィーガンになじみがない人も取り入れられる、ヴィーガン習慣のアイディアについてご紹介します。

ヴィーガン料理を自分で作ってみる

ヴィーガン料理を自分で作ってみる

ヴィーガン料理を作るのはハードルが高いと思われがちですが、そんなことはありません。家族と食事を分けて作るのが手間、という方には料理から肉や魚を取り除くだけでなく、代替食を取り入れる方法もあります。なかでも代表的なのはソイミート。その名の通り、大豆を原料とした完全植物性の食材で、高タンパク質で低カロリー。ミンチから薄切り、ブロックタイプなど様々あります。
お湯で戻して使うもの、開封してすぐ使えるものなど、各メーカーによって味も形状もバラエティーに富んでおり、食べ比べも楽しめます。そのほか高野豆腐、豆腐、こんにゃく、麩、豆など馴染みのあるものも代替食材としてよく使われています。乳製品の代わりに豆乳、ココナッツミルク、出汁には昆布やベジブロスを使用するなど。いつも使っている食材を少し変えるだけでも、美味しいヴィーガン料理を作れますよ。

チーズ等の市販のヴィーガン食材で取り入れる

最近では、ナチュラル系の専門店に行かなくても、スーパーにヴィーガンコーナーや、ヴィーガン食材が並んでいるのをよく見かけるようになりました。もはやプラントベースの食材は珍しい食べ物ではなく、気軽に購入できる食材となっています。
チーズでいえば、主成分は豆乳やココナッツミルクなどの植物性のミルク、ナッツや豆類が一般的。見た目や用途はチーズと変わりなく、とろけるタイプやブロックタイプ、なめらかな塗るタイプなど様々あり、味はあっさりしたチーズ味のようなものからナッツ感が強いもの、豆腐とチーズの間のようなものなど個性豊か。ヴィーガンフードとは思えないほどのリッチさを楽しめるのも魅力のひとつです。

ヴィーガンレストランやカフェ等の外食で取り入れる

ヴィーガンレストランやカフェ等の外食で取り入れる

ひと昔前までは数えるほどしかなかったヴィーガンレストランですが、2021年にはフランスで初めてヴィーガンレストランがミシュランの星を獲得、ニューヨークでは3ツ星レストランがヴィーガンレストランになる方針を発表するなど、世界的にムーブメントを巻き起こしています。
日本でもヴィーガン料理専門店は増えており、ケータリングやデリバリーに特化したお店もあります。一般のレストランでも、通常メニューに加えヴィーガン対応メニューを設けていることも珍しくありません。おうちの食卓で取り入れるのは難しい、という方はご自宅周辺のヴィーガン対応店を探すところから始めてみてはいかがでしょうか。
近くにお店がない場合は、カフェでミルクを豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクに変更して楽しむところから始めるのもおすすめです。

ヴィーガン料理におすすめの食材

ヴィーガンはストイックに突き詰めるのではなく、いつものメニューを少し工夫してプラントベースにしてみるという気軽さが大切。「美味しい」と感動し、食の楽しさを体感することがストレスなく続けられるコツです。どんな料理もプラントベースに置き換えて作ることができ、野菜や豆だけなのに満足感がある。そんな驚きや発見、初めて出会う味を想像しながら、食材を選ぶと楽しみながら続けられますよ。ここで紹介するおすすめ食材は特別なものはなく、ナチュラル系のスーパーでなくても購入できるものばかり。ぜひ、ご自宅でも取り入れてみてください。

穀物類:もち麦、チアシード、キヌア

穀物類:もち麦、チアシード、キヌア

どれもスーパーフードとカテゴライズされている通り栄養価が高い、おすすめの食材です。もち麦、キヌアは茹でてサラダやスープにトッピングするのも良いですが、白米と一緒に炊くとより食べやすくなります。

チアシード

チアシードはゴマ代わりにサラダやごはんに振りかけるだけでなく、水で戻してヨーグルトやグラノーラにトッピングするのもおすすめ。チアシードを牛乳やココナッツミルク、アーモンドミルクなどに浸して、冷蔵庫で一晩寝かせて作るチアプディングは、デザートとして美味しくいただけます。

豆類:ミックスビーンズ

豆類:ミックスビーンズ

大豆、ひよこ豆といった豆類は茹で汁を出汁として活用できるのも魅力ですが、自分で煮たり蒸したりするのは少し手間という方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが、ミックスビーンズです。時短かつ様々な種類が食べられるので、忙しい方におすすめのヴィーガン食材です。

ミルク:豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルク

ミルク:豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルク

牛乳の代わりにコーヒーや紅茶、ココアにも。幅広い料理にお使いいただけます。牛乳より賞味期限が長いので保存しやすいところも嬉しいポイントです。

麺:豆腐干、豆パスタ、米粉麺

麺:豆腐干、豆パスタ、米粉麺

いつもの麺料理も、麺を変えるだけでヘルシー&栄養価アップ、食感も違った味わいを楽しめます。特におすすめなのは豆腐干(とうふかん)。硬めの豆腐を圧縮・脱水し干して作られたもので、弾力のある食感と、ほんのり豆の風味が感じられるのが特徴です。ヘルシーで食べ応えがあり、糖質オフダイエットでも注目されている食材です。中華、台湾料理でよく使われていますが、トマトとの相性がいいのでイタリアンにも合います。

ヴィーガン料理におすすめの調理方法・調味料

肉・魚・乳製品と比べると、野菜は旨みや味のパンチがやや弱く感じられます。肉・魚を使わなくても満足感を得るためには、下記の5つのポイントをおさえましょう。合わせてご紹介する調味料を使えば、だれでも簡単に香りや味、食感にアクセントをつけられますよ。

1.乾燥させる&焦がす

1.乾燥させる&焦がす

「乾燥させる」でおすすめなのは干し野菜。野菜を洗って切って干すだけ。オーブンの場合は100℃で1時間(余熱なしでOK)加熱すれば完成します。乾燥させた食材は旨みが凝縮し、味が濃くなり美味しさがアップします。
また、生の食材は表面をグリルやフライパンでこんがり焼き色を付けることで、香ばしさと旨み、味に深みを出すことができます。ナスなど、色の濃い食材をグリルすると一見焼き過ぎにも見えますが、皮をむくとスモーキーな香りをまとった実が食欲をそそりますよ。
今回はグリルした茄子に、ブロッコリー、ピスタチオ、バジル、豆乳などをミキサーにかけたディップソース、オリーブオイル、デュカ(ローストしたナッツ、スパイス、ゴマなどがブレンドされた中東の調味料)をトッピングしました。シンプルな料理ではありますが、1皿で充分に食べ応えのあるメインディッシュになりますよ。

2.油分を補う

野菜だけだと不足しがちな油分を補うことで、栄養バランスがよくなるだけでなく、コクや香りをプラスできます。オイルをかける、揚げる、油分の多い食材を使うなど方法も様々。もう一味足したい、という方はこちらの調味料を使ってみると良いでしょう。

ナッツ、ごま、ココナッツ

ナッツ、ごま、ココナッツ

グレープシードオイル、ココナッツオイル

グレープシードオイル、ココナッツオイル

タヒニ(生の白ごまペースト)、豆乳マヨネーズ

タヒニ(生の白ごまペースト)、豆乳マヨネーズ

ピーナッツバター、アーモンドバター(無糖タイプがおすすめ。香ばしい香りとコクをプラスしたいとき調味料として使えます)

ピーナッツバター、アーモンドバター

3.甘味&酸味を加える

甘みに酸味を足すとまろやかさが増し、味に深みが出ます。甘みは食材がもつ甘みだけでなく、甘味料としてメープルシロップ、アガベシロップ、オリゴ糖を使用するとよいでしょう。酸味はドレッシングやソースに加えるのがおすすめです。

レモン、ライム、りんご酢、赤ワインビネガー、ホワイトバルサミコ酢

レモン、ライム、りんご酢、赤ワインビネガー、ホワイトバルサミコ酢

ビーツの甘酢漬けなど、酢漬けやピクルスを添えるだけというのも手軽でおすすめです。

ビーツの甘酢漬け

4.食感にアクセントをつける

ナッツやデュカをいつもの料理にプラスするだけで、食感や味に変化が生まれ、驚きや楽しさを演出します。

ナッツやデュカ

素揚げのオニオンやキヌア、ココナッツチップスをアクセントにするのもおすすめです。

素揚げのオニオンやキヌア

5.ハーブ&スパイスを使う

香りと食感、味にパンチを出したいときにはハーブやスパイスが効果的です。フレッシュも良いですが、今回は食感が楽しい粒感のあるドライスパイスを中心に、使いやすいおすすめのスパイスをご紹介します。

ハーブ&スパイス

上から時計回りにシナモンスティック、カラフルペッパー、クローブ、ローズマリー、オレガノ、タラゴン、タイム、クミン、マスタードシード、八角、真ん中はカルダモン。香りをより引き立たせたいという方は、ペンチやすり鉢などで細かく砕いて料理に使いましょう。

【ヴィーガンレシピ】ラザニアを作ってみよう

最後に、今回ご紹介した食材と調理ポイントをおさえながら作る、ヴィーガンレシピをご紹介します。調味料などは自宅にあるもので置き換えてもおいしく作れますので、ぜひチャレンジしてください。食べ応えがあるレシピなので、食べ盛りのお子様や男性にもおすすめの一品ですよ。

『豆乳ホワイトソースの豆腐干ラザニア』

豆乳ホワイトソースの豆腐干ラザニア
  • 【材料】(2人分)
  • 豆腐干(太麺タイプ)…100g
  • ヴィーガンチーズ…適宜
  • パセリ…適宜
  • <豆乳ホワイトソース>
  • 豆乳…300cc
  • ヴィーガンバター…大さじ3
    ※ヴィーガンバター以外にもオリーブオイル、ココナッツオイルなどでもOK
  • 米粉…大さじ3
  • 塩…小さじ1/4~1/3
  • ホワイトペッパー…少々
  • ナツメグ…少々
  • <ソイミートソース>
  • ソイミート(ミンチタイプ)…150g
  • タマネギ…1/4個
  • セロリ…5センチ
  • ニンニク…1/2かけ
  • 塩…少々
  • オリーブオイル…大さじ1/2
  • A トマト缶…1/2缶

    赤ワイン…大さじ1

    ローリエ…1枚

    塩…小さじ1/3

    メープルシロップ…小さじ1/2

    味噌…小さじ1

    カレー粉…少々

  • ブラックペッパー…少々

作り方

1.豆乳ホワイトソースを作る
フライパンにヴィーガンバターを入れて弱火にかける。バターが溶けたら米粉を加え、ゴムベラでかき混ぜながら焦がさないよう2~3分炒める。豆乳を少し(50㏄ほど)加え全体が馴染んでひとかたまりになったら、残りの豆乳を4~5回に分けて加えよく混ぜる。
全体がなめらかにまとまったら、塩、ホワイトペッパー、ナツメグを加えて味を調える。

豆乳ホワイトソースを作る

2.ソイミートソースを作る
ソイミートをパッケージ記載の通りに戻しておく。玉ねぎ、セロリ、にんにくはみじん切りにする。フライパンにオリーブオイルとタマネギを入れて中火で炒め、しんなりしてきたらセロリ、ニンニク、塩少々を加えて炒める。

ソイミートソースを作る

全体がなじんだらソイミートを加えて炒め、Aを加える。トマトの塊がある場合はつぶしながら10分ほど煮て、塩、ブラックペッパーで味を調える。

ソイミートソースを作る

3.層を作り、オーブンで焼く

層を作り、オーブンで焼く

豆腐干をパッケージ記載の通りに下茹でして、水気を切る。耐熱皿に豆腐干、ソイミートソース、豆乳ホワイトソース、ヴィーガンチーズの順にのせて層を作る。

層を作り、オーブンで焼く

200℃に余熱したオーブンで20~25分焼き、仕上げにパセリを散らして完成。

ヴィーガン習慣で健康や環境に優しい生活を

地球環境にも、体にも優しいヴィーガン習慣。食品だけでなく、環境に優しい洗剤やプラスチックごみを減らすなど、世界中でエシカルな暮らしに注目が広がっています。環境に良いことに取り組むことは日々の心の豊かさ、そして体の健康にもつながります。いきなり生活をガラッと切り替えるのは難しい、という方もプラントベースフードを週末だけ、あるいは週一回だけでも取り入れてみてはいかがでしょうか。
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田村佳奈子
Profile 田村佳奈子

フードスタイリスト、フードライター
ジュエリー業界から転職してフリーランスに。
広告・web・雑誌のスタイリング、ドラマのフードコーディネーター、レシピ開発などを行う。
お酒に合う料理とおもてなし料理が得意。3歳の娘が喜ぶごはんとおやつを日々探求中。

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