ハーブは紀元前の昔から、エジプトやギリシャで医療用に用いられてきました。現代の私たちの生活にも、お料理やお茶をはじめ身近な存在となっています。スーパーでも手軽に購入できるフレッシュハーブですが「どのように使えばよいのかわからない」「購入しても余らせてしまう」という方も多いと思います。そこで、今回はフレッシュハーブの洗い方・使い方・保存方法のほか、フレッシュハーブを使ったフレッシュハーブティー&ハーブウォーターや、自家製調味料の作り方など、フレッシュハーブを組み合わせてワンランク上の活用法で楽しむヒントをご紹介します。
市販のフレッシュハーブは洗わず使えるものもありますが、ほとんどが摘みたての状態で売られているので必ず洗ってから使いましょう。洗い方のポイントは2つあります。
水を入れたボウルやタッパーなどの容器にフレッシュハーブを入れ、揺らして洗います。葉がしっかりしているローズマリー・タイム・セージなどは押し洗いしても大丈夫ですが、葉の柔らかいバジル・ディル・ミント・レモンバーム・ベビーリーフなどは繊細なので特に優しく扱いましょう。水にいれて少し置いておくと、汚れやホコリが自然に落ちてきますので水を1~2回替えてザルにあげましょう。
水気が残っていると傷みの原因になるので、洗った後はしっかり水切りをします。ザルやキッチンペーパーなどに広げて水気を取り除くのがベストですが、すぐに使う際はキッチンペーパーで挟み、水気をふき取りましょう。
保存する場合、一番大切なのは吸水させておくことです。フレッシュハーブは水を入れたコップなどにさしておくだけで吸水します。この際、切り花と同様に水の中で茎を切る”水切り”をすると、より水分を吸い上げシャキッとした状態になります。ハーブをどのように使うかで冷蔵、冷凍など保存方法は異なります。下記を参考に、使い方に合わせた保存方法を選びましょう。
切り口を水で湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋や密封できる容器に入れて冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。バジルなどの柔らかい葉は、水で湿らせたキッチンペーパーを容器に入れて包むように保存する方法もありますが、あまり日持ちしないので早めに使い切りましょう。
ハーブを少量ずつラップで包み、保存袋に入れて冷凍すれば数週間保存が可能ですが、香りごと保存するのはなかなか難しいもの。そこでおすすめしたいのが「ハーブ氷」です。
*画像は炭酸水+レモンスライス+ミント氷
作り方は製氷機に水とお好みのハーブを入れて冷凍するだけ。ミネラルウォーターや炭酸水、紅茶、緑茶などお好みのドリンクに入れると、ほんのりハーブの香りが楽しめます。見た目も華やかで、季節を問わずおもてなしにもぴったり。スパークリングワインやレモンサワー、カクテルなどアルコールにもあいます。ハーブ氷におすすめのハーブはミント・ローズマリー・レモンバーム・バジルなど香りが強くさわやかな芳香のもの。なかでもバジルの花は白くて可憐な見た目で葉よりも香り高く、氷に最適です。あまり店頭では置いていませんが6月下旬から9月頃に手に入りやすいので、見かけたらぜひ試してみてくださいね。
長期間保存したい場合は乾燥するのがおすすめです。ハーブが消費しきれないときはぜひおうちで乾燥ハーブを作ってみましょう。おうちで乾燥させる方法は大きく分けて3つあります。
枝や茎があるものは束ねて吊るし、葉や花だけの場合はザルに広げて乾燥させます。風通しの良い日が当たらない場所に置き、しっかり乾燥させましょう。
耐熱皿にキッチンペーパーを敷きハーブを重ならないように並べ、500Wで30秒、様子を見て30秒ずつ追加してパリパリになったら完成です。とても簡単ですが香りが飛んでしまうのであまりおすすめではありません。しかし、ハーブが急に必要になったときには便利な方法です。ローズマリーやオレガノには良い方法です。
オーブントレーにベーキングシートを敷きハーブを重ならないように並べ、低温(35~40℃くらい)で10~15分様子を見ながら加熱します。この方法も香りが飛んでしまいますが、大量のハーブを乾燥させる時には便利です。葉が薄く柔らかいものは焦げやすいので注意しましょう。ローリエやローズマリーなど、葉がしっかりしているものから始めてみると安心です。
いずれの方法でも、パリパリに崩れるくらいまで乾燥していれば完成です。葉を折ったときパキッと折れるか確認しましょう。しんなりする場合は乾燥が不十分で、そのまま保存容器などに入れるとカビが生える恐れがあります。ドライハーブができたら、密閉容器で乾燥剤と一緒に保存するのがコツです。
フレッシュハーブでドリンクを作るとさわやかでフレッシュな香りが広がります。ドライハーブとはひと味違った芳香が楽しめますよ。フレッシュハーブでドリンクをつくるときのポイントは、ハーブを傷つけること。そうすることでハーブの香りをより際立たせることが出来ます。使う直前に揉んだり、手で挟みたたいたり、刻んだり。どの方法でもOKですが、おすすめは揉むことです。
全部まとめて3~5回軽く揉むだけなので簡単にできます。ふわっと香りが立つので、作業しているだけでも癒されますよ。今回は2種類のフレッシュハーブドリンクのレシピをご紹介します。
1つめはフレッシュハーブで是非作ってほしい「ハーブウォーター」です。たっぷりのフレッシュハーブを水に漬けるだけなのですが、より香りを抽出するため少し熱湯を加えます。この方法で作ると、香りがよく色もきれいに出ます。今回はリフレッシュしたいときにおすすめの組み合わせをご紹介します。
2つめは「フレッシュハーブティー」。ドライハーブとフレッシュハーブの香りや味わいの違いを比べるには、ハーブティーが分かりやすいと思います。今回のレシピのポイントはミントを数種類(2~4種類)、レモングラスをベースに多くのハーブを使うことです。すっきりとしたなかに複雑な味わいが広がるハーブティーに仕上がります。
※2~3回熱湯を継ぎ足して楽しめます
※そのほかローズマリー、タラゴンなどもおすすめ。お好みで加えてみてください
せっかく香り高いフレッシュハーブが手に入ったのなら、是非作ってほしいのが自家製調味料です。これさえあれば味が決まる、アレンジ自在な3品をご紹介します。
市販ではよくドライハーブのハーブ塩がありますが、フレッシュハーブのものは珍しいと思います。ハーブ1種類でも美味しいですが、おすすめは3種くらいを混ぜたもの。使いやすいハーブは、ローズマリー、タイム・セージ・ローリエ・イタリアンパセリ・オレガノ・タラゴン・チャイブ・コリアンダーなど。細かく刻んでお好みの塩と混ぜるだけですぐに出来ます。塩はお好みのものでOK。岩塩や粗塩、フルール・ド・セル※1など、粒が大きめのものがおすすめです。
※1 天日と風で水を蒸発させ、表面にできる結晶だけを集めた大粒の天然海塩
フレッシュでさわやかな香りがする塩は、シンプルな茹で野菜などに振りかけるだけでもおしゃれな一品に仕上がります。冷蔵庫に保存し、1週間くらいを目途に使い切りましょう。
※ハーブ:塩が1:1になるようにするとバランスが良いです
フレッシュハーブとニンニクをオリーブオイルに漬けるだけでできる、アレンジ自在のオイルです。いつものオリーブオイルをこれに替えるだけで、お店の味のようになります。パンに付けたりパスタに和えるだけでなく、肉や魚をマリネ、ドレッシングなど、使い方は様々。完成後は冷蔵庫で保存し、1か月程で使い切りましょう。
※ハーブはお好みのものを1種類でもOK。セージやディル、オレガノなども合います
フレンチでは「フィーヌゼルブ」というパセリ、チャイブ、チャービル、タラゴンを細かく刻んで 2:2:1:1の割合(または4種類を同量)で混ぜ合わせたミックスハーブが一般的ですが、お好みのハーブやニンニク、レモンの皮をすりおろして加えても良いと思います。
パンに塗って焼いても美味しいですよ。
今回はフレッシュハーブのドリンクや自家製調味料など、少ない材料で香りを楽しめる方法をお伝えしました。みなさんもフレッシュハーブを生活に取り入れ、ワンランク上の活用法で楽しみましょう。しかし、せっかくハーブでリフレッシュタイムを過ごすならば、おうちもリフレッシュして気持ちよく過ごしてみませんか。
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フードスタイリスト、フードライター
ジュエリー業界から転職してフリーランスに。
広告・web・雑誌のスタイリング、ドラマのフードコーディネーター、レシピ開発などを行う。
お酒に合う料理とおもてなし料理が得意。3歳の娘が喜ぶごはんとおやつを日々探求中。