ゴールデンウィークやお盆休み、特にクリスマス休暇や年末年始は長期間自宅を空ける方も多いのではないでしょうか。そんなときに困るのが、観葉植物の管理方法。
旅行好きな家具コンシェルジュの私も、以前は留守中の観葉植物の管理に悩んでいました。試行錯誤の末、長期不在中の室内の観葉植物の水やりの方法について、実体験をもとに紹介します。なお、実際の観葉植物の最適な水やりの仕方は種類や季節、環境、不在期間に左右されますので、コラムを参考に自宅の鉢植えの花や植物を観察しながら実践してみてくださいね。
今回は私が実践している、長期休暇中の室内の観葉植物の水やりの方法について、実体験をもとに紹介します。なお、実際の観葉植物の最適な水やりの仕方は種類や環境に左右されますので、コラムを参考に自宅の植物を観察しながら実践してみてくださいね。
不在中の植物の管理方法について知る前に、水やりに関する大前提をチェックしてみましょう。植物が枯れる原因の多くは基本を疎かにすることだといっても過言ではありません。既にご存知の内容もあるかと思いますが、ここで改めて確認しておきます。
まず、湿気を好むかどうかによって水やりの頻度が変わります。原産国を知れば植物のおおよその傾向がわかり、水やりの感覚をつかむことができます。植物のタグやインターネットで名前・原産国を確認し、下記の表を参考に自宅の植物の好みをチェックしましょう。
好みの傾向 | 原産国 | 植物の例 | 水やりの基本 |
---|---|---|---|
湿気を好む | 多雨林の熱帯・亜熱帯 | アジアンタム モンステラ |
半乾き状態が目安 葉水も行う |
程良い湿気を好む | 多雨林でない熱帯・亜熱帯 | ゴムの木 ドラセナ |
乾いたらたっぷりと |
乾燥を好む | 砂漠などの乾燥地帯 | 多肉植物 サンスベリア |
土が完全に乾いてから |
また、室温も水やりの仕方を左右します。例えば冬でも暖かい住まいは植物が成長しやすいため、寒い家よりも水やりの頻度が高くなることがあるのです。
さらに、鉢のサイズを比べると、大きい鉢は小さい鉢より水分を蓄えるので水切れが起こりにくく、小さい鉢は水切れしやすいという違いがあります。
冬になると多くの植物は休眠期に入り、成長がゆっくりになるため、普段より水を必要としなくなります。いつもと同じように水やりをすると根腐れを起こしますので、年末年始の水やりは控えめにしましょう。
ただし、冬でも温度が高く明るい室内の場合は成長することがあるため、植物の様子を見ながら判断することをおすすめします。
水が受け皿に溜まったままだと、根腐れを起こしたり虫が湧いたりすることがあります。水やり後は受け皿をチェックし、水が溜まっていたら捨てるようにしましょう。
植物が生命を維持するには、水だけでなく光や風も必要です。特にマンションの室内で育てていると風通しを忘れがちで、「適切に水やりしたのに急に枯れた」というケースがあります。通気性の確保が難しい場合は、サーキュレーターを活用し空気を循環させましょう。
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GWやクリスマス休暇で不在になる場合、便利グッズがあると管理が簡単になります。不在中の対策に必須というわけではありませんが、旅行・出張中の管理の負担を軽減したい方は導入を検討してみましょう。
今回は私が実際に使用したことがあるものをいくつか紹介します。具体的な使い方や注意点は商品によって違いますので、パッケージを確認してご使用ください。
水の入った容器に布の一方を浸し、もう片方を容器の外に出すことで容器内の水が布をつたって外に出ます。この現象を毛管現象といい、この仕組みを活かしたのが自動給水装置です。水を入れたペットボトルに管を入れ、本体を土に挿すと不在時も水やりが可能です。鉢底から水が流れますので、浴室や洗面所などにセットしましょう。
この自動給水装置は水を好む植物に適していますが、どのくらい生き延びるかはご自宅の環境・用意する水の量・植物の個体差にもよりますので、植物の様子を見ながら試してみてください。
なお、このグッズは下の画像のように、バケツ+不要なタオルでも代用可能です。見た目は市販のアイテムの方がすっきりとしていますので、好みに合わせて選んでみてください。
高分子吸水ポリマーの保水剤を土に混ぜ込むと、土に浸透した水を吸収し、旅行や出張中でも水分を保持できます。湿気を好む植物に適しており、私が使った保水剤は10日ほど水やりをしなくても問題ありませんでした。効果の持続性は数ヶ月や数年など、商品によってさまざまです。
旅行や出張の間、家族・友人・家事代行サービスに水やりを頼むと、普段とは違う人が管理することになるため、最適な水やりのタイミングがわかりにくくなります。そのようなときに便利なのが、土の中の潤いを色で示す水やりチェッカーです。管理者が変わっても水やりの失敗が少なくなり、不在時だけでなく普段の管理にも役立ちます。
不在中は、カーテンやブラインド越しの明るくて窓から離れた場所に置くことをおすすめします。これはGWと年末年始の両方に当てはまることで、夏は直射日光による葉焼けや水の蒸発を防ぎ、冬は冷気や極端な寒さを防ぐためです。
なお、湿気を好む植物であれば、浴室や洗面所で管理する方法もあります。ただし、年末年始の旅行や出張の場合、寒くて暗い浴室では植物にダメージを与える恐れもありますので、住まいの環境を考慮して設置しましょう。また、植物は風通しも必要とするため、浴室や洗面所で管理する場合はドアを少し開けておくことをお忘れなく。
ここからは、旅行や出張の期間別に管理方法を紹介していきます。
休暇の時期 | 管理方法 |
---|---|
年末年始 | ・基本的に水やり不要 |
GW・夏 | ・たっぷりと水やりをして放置 |
1週間程度の不在であれば、休眠期の冬は何もせず、成長期のGWや夏は出かける前に水やりをすれば基本的に問題ありません。
アジアンタムやエバーフレッシュなどの熱帯多雨林原産の植物は乾燥を極度に嫌い、GWや夏に水切れを起こしがちです。そこで私はこれらの植物を他の植物と区別して管理をしています。具体的には、水を張った浴槽の上にすのこやワイヤーネットなどをセットし、上に植物を置いて湿気をキープする方法です。1週間前後の旅行で何度か試しましたが、今のところ元気にしています。
休暇の時期 | 管理方法 |
---|---|
年末年始 |
・外出前に水やりをしてマルチングする ・乾燥地帯原産の植物は何もしない |
GW・夏 |
・自動給水装置や保水剤を活用する ・人に頼む |
マルチングとは、土の表面をウッドチップやココヤシファイバーなどで覆うことで、乾燥を防ぎ温度を保つメリットがあります。夏の旅行・出張中の管理としては不十分ですが、休眠期の冬であれば外出前にあげた水分をある程度保ってくれます。
そして年末年始に注意したいのが、サンスベリアなどの乾燥地帯原産の植物です。基本的には水やりが不要ですので、室内が15℃以下なら断水し、15℃以上の場合は月1回程度の水やりにしておきましょう。
休暇の時期 | 管理方法 |
---|---|
年末年始 |
・外出前に水やりをし鉢の部分を新聞紙や袋で包む
(植物は外に出ている状態)
・乾燥地帯原産の植物は何もしない |
GW・夏 |
・大きなバケツを使って自動給水装置を自作する ・人に頼む |
長期旅行・出張になると、いくら休眠期の冬でもマルチングでは不十分です。たっぷりと水やりした後に水を切ったら、新聞紙やビニール袋で鉢を包んで密閉しましょう。この方法は風通しがよくないため、夏にはあまりおすすめできませんが、休眠期の冬なら乗り切れることがあります。
夏に1ヶ月自宅を空ける場合は家族や友人、家事代行サービスに頼むと安心ですが、大きなバケツに水をたっぷり溜めて毛管現象の自動給水装置で対処する方法もあります。
季節の変化は水やりの仕方に影響を与えます。不在中の植物を枯らさないために、季節ごとの注意点をチェックしましょう。
年末年始やクリスマス休暇になると植物は基本的に休眠しますが、室温が低い場合とそうでない場合によって管理の仕方が変わります。植物が耐え得る温度は種類によってさまざまですが、最適な目安は15〜25℃、最低でも10℃くらいと考えると良いでしょう。
冬に10℃を下回る場合は、防寒対策が必要です。発泡スチロールやダンボールに入れて管理すると寒さが緩和されます。
逆に気密性の高いマンションや持ち家で冬でも15〜20℃をキープできる場合は、普段と同じように室内で管理しましょう。
夏は多くの植物が水を必要としますが、大きい鉢の植物を小さい鉢と同じ感覚で管理すると、根腐れを起こすことがありますので注意しましょう。
もし帰宅後にカビ・葉の変色・萎れなどの現象が見られたら、根腐れの可能性があります。その場合は、水が溜まっていたら捨てて日陰で管理し、しばらく水やりを控えましょう。
例えば上記画像の左は根腐れを起こしかけたウンベラータで、水やりを控えて放置すると数週間で画像右のように復活しました。
春・秋は時期によって気温や天気にばらつきがあるため、旅行の日程と天気予報を予めチェックして備えましょう。暖かくて成長が進むようなら水をたっぷりとあげてココヤシファイバーなどで保水し、肌寒い場合は水を控えめにする管理方法がおすすめです。
帰宅したらすぐに水をあげたくなりますが、タイミングを見計らいましょう。夏は暑い昼間に水やりをすると根が蒸れ、冬は寒い朝晩に水やりをすると株が傷みやすいからです。
また、帰宅後、適切に水やりしても水切れ状態が続く場合は、水を張ったバケツに鉢ごと浸けて約30分放置すると復活しやすくなります。
植物の管理方法は一概には言えない部分があるため、説明が少し細かくなりましたが、大事なポイントは「水やりの大前提を押さえること」「年末年始はむやみに水を与えないこと」です。自宅の植物の状態や環境を理解して対策すれば、元気な状態をキープできるでしょう。
ただ、年末年始やクリスマス休暇は仕事やお付き合いで多忙になり、留守中の対策が難しいこともありますよね。また、家族や知人に水やりを頼みたくても困難な場合もあるでしょう。そんなときは、家事代行サービスを利用するのもおすすめです。
クラシニティはお掃除・洗濯・食器洗いといった日常的な家事をお手伝いするサービスを提供しており、その中に水やりも含まれています。一度の訪問で不在中のお掃除も水やりも対応できますので、水やりのためだけに園芸専門業者へ依頼するよりも効率的です。また、レギュラーサービスでは毎回同じ専任スタッフが訪問するため、安心しておまかせいただけます。
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家具コンシェルジュ・インテリアライター。インテリア・家具・収納・植物記事の執筆やお部屋づくりのお手伝いをしています。「自宅がどこよりも最高の空間になる家具選び」をモットーに、ぴったりな家具を提案するのが生きがい。椅子コレクター・植物マニア・DIY好きでもあり、椅子のために家を建築し、自宅では30鉢以上の植物を育てて、休日は趣味で空き家のセルフリノベーションもしています。